「かぼちゃを漢字で書くのは複雑?どう読むの?」
「かぼちゃの漢字にはどんな背景があるのでしょうか?」
「かぼちゃの漢字の意味や背景が知りたいです!」
甘くて美味しいかぼちゃは、ハロウィンの象徴としても人気がありますね。
でも、このかぼちゃが漢字で書けることを知っていますか?実は、5種類もの異なる漢字が使われているんです。
どのような漢字が使われているか、興味深いですよね。
今回は、かぼちゃを漢字でどう表記するのか、そしてそれぞれの漢字の意味や起源について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
■かぼちゃの漢字表記:難解なのか?
かぼちゃは漢字で以下の5つの表記があります。
・唐茄子(とうなす)
・唐瓜(からうり)
・南京(なんきん)
・熟瓜(かぼちゃ、ほそじ)
「南瓜」が最もポピュラーな表記ですが、「唐茄子」「唐瓜」「南京」「熟瓜」も全てかぼちゃを指します。
これらの異なる読み方を持ちつつも同じかぼちゃを指すのは、非常に興味深いですね。
●他に「瓜」を含む漢字はあるのか?
「瓜」という漢字は、多くの野菜の名前に使われています。
例えば、「南瓜(カボチャ)」や夏に美味しい「西瓜(スイカ)」があります。
それでは、「北瓜」「東瓜」といった漢字は存在するのでしょうか?
実際に調べてみると、「瓜」を含む野菜や植物には次のようなものがあります。
・南瓜(かぼちゃ)
・冬瓜(トーガン)
・真桑瓜(まくわうり/メロン)
・胡瓜(キュウリ)
・苦瓜(ゴーヤ)
・蕃木瓜(パパイア)
・隼人瓜(はやとうり)
・糸瓜(へちま)
・烏瓜(からすうり)
しかし、「北瓜」「東瓜」は存在しませんでした。
これらの漢字がない理由については、起源の説明で詳しく触れます。
■かぼちゃの漢字:その起源と意味を探る
かぼちゃには、以下の5つの漢字表記があります。
それぞれの漢字の背後にある意味や由来を見ていきましょう。
●「南瓜」の由来
「南瓜」は、最も一般的な漢字表記で、キーボードで「カボチャ」と入力するとこの漢字が表示されます。
では、「南瓜」の由来とは何でしょうか?実は、二つの主な説が存在します。
◯ポルトガル起源説
最初の説は、ポルトガルから伝わったというものですが、「南方」とはポルトガルではなく、実際にはカンボジアを指します。
16世紀半ばから鎖国時代まで、日本はポルトガルやスペイン、オランダと「南蛮貿易」を行っていました。
「南蛮」という言葉は、東南アジアからの輸入品が多かったことに由来し、「蛮」は外国を意味しています。
そのため、「南瓜」という名前は「南方の国から来た瓜」という意味です。
興味深いことに、「南瓜」の読み方「カボチャ」は、もともと「カンボジアの瓜」、すなわち「カボチャ瓜」と呼ばれていたそうです。
最終的には「瓜」が省略され、「カボチャ」という現在の名称になりました。
◯中国起源説
二つ目の説は、中国から伝わったというものです。
中国ではカボチャを「南瓜」と表記し、この名称が日本にも伝わったとされています。
ただし、中国では「カボチャ」とは発音せず、「ナングァ」と発音されるのが特徴的です。
●「唐茄子」の由来とその歴史的背景
「唐茄子(とうなす)」の起源について掘り下げてみましょう。
この漢字における「唐」は、遣唐使で使われるものと同じで、618年から907年にかけて栄えた中国の唐王朝を指します。
そのため、「唐茄子」とは、唐から伝えられた茄子のような野菜を意味していると考えられます。
しかし、「南瓜(カボチャ)」が16世紀にカンボジアから伝来したという事実を踏まえると、「唐茄子」はより古い歴史を持つ可能性があります。
これは、「唐茄子」と「南瓜」がもともと異なる種類の野菜であったことを示唆しています。
●「唐瓜」の意味とその他の関連名
次に、「唐瓜(からうり)」の由来に迫ります。
「唐瓜」も「唐茄子」と同様に、「唐から来た瓜」という意味です。
カボチャが瓜の一種であることから、この名前は理解しやすいでしょう。
ただ、「唐瓜」は他の意味も持ち合わせています。
●「南京」の名称の背景
「南京(なんきん)」の名称の起源は、中国の南京市に関連しています。
16世紀の南蛮貿易期に、カボチャは主にポルトガルから輸入されていましたが、その際に南京の港を経由していたため、「南京」と名付けられたとされます。
●「熟瓜」とカボチャの多様性
最後に、「熟瓜(かぼちゃ、ほそじ)」の名前の由来を紹介します。
「熟瓜」は元々「よく熟した真桑瓜(マクワウリ/メロン)」を指していました。
先に説明した「唐瓜」が「真桑瓜」の別名であることと関連しています。
一般的には緑色の皮を持つ丸い形のカボチャを思い浮かべるかもしれませんが、実は様々な形状のカボチャが存在します。
例えば、「バターナッツ」はヒョウタン型ですし、「金糸瓜」はマクワウリ(メロン)に似ていますが、これらもカボチャの一種です。
これらの多様な形状を見ると、「熟瓜」という名前の意味がより理解できます。
●「北瓜」と「東瓜」が存在しない理由
「南瓜(カボチャ)」と「西瓜(スイカ)」の命名には、それぞれ中国から見た地理的な位置が関係しています。
・「西瓜」は、中国から見て西方(西アジア)の地域に起源を持つ瓜を表す。
この考え方に基づけば、「北瓜」と「東瓜」も以下のような意味合いが考えられます。
・「東瓜」は、中国から見て東方(例えば朝鮮半島や日本)の地域に起源を持つ瓜を表す可能性。
しかし、モンゴル、朝鮮半島、日本などから中国に伝わった特筆すべき瓜の種類は見つかっていないようです。
このため、「北瓜」や「東瓜」という漢字は存在しないと考えられます。
■カボチャに関連する漢字とその由来のまとめ
カボチャに関連する漢字とその由来は以下の通りです。
・南瓜(カボチャ):南蛮貿易を通じて南方(カンボジア)から日本に伝わった瓜。
・唐茄子(とうなす):唐(中国)から日本に伝わった茄子の一種。
・唐瓜(からうり):唐(中国)から日本に伝わった瓜。
・南京(なんきん):中国の南京を経由して日本に伝わった野菜。
・熟瓜(かぼちゃ、ほそじ):熟した瓜、特に真桑瓜(マクワウリ/メロン)を指す。
これらの漢字とその由来を通じて、カボチャには様々な歴史的背景と意味があることが理解できます。
興味深い話題ですね。