バターとマーガリンは見た目が似ていますが、溶けやすさには大きな違いがあります。
特に夏場、室内に放置したバターはすぐに溶け始めるのに対し、マーガリンは形を保つことが比較的多いです。
これは一体どのような理由によるものでしょうか？
今回は、バターとマーガリンのそれぞれの特性を深掘りし、上手な使用方法を解説します。
具体的には、
・バターが完全に溶けるまでの時間
・バターの適切な保管方法
これらの点について詳しく見ていきます。
◇バターはどの温度で溶けるのか？
◯バターの融点について
「料理科学の森」によると、バターは28～38℃で液体に変わります。
18℃を超えると柔らかくなり始め、一度溶けたバターは元の固体形状には戻らず、構造が変化します。
高温や湿度の高い環境では、バターは細菌やカビの増殖、不快な臭いの原因にもなり得るため、10℃以下での保存が推奨されます。
◯マーガリンの融解温度
マーガリンの場合、融解温度は45℃です。
バターと外見は似ていますが、成分や製造方法に違いがあります。
バターは牛乳から分離した乳脂肪を利用して作られ、一方でマーガリンはコーン油や大豆油などの植物油を主成分とし、脱脂乳などを加えて混ぜ合わせ、冷却して固める製法を採用しています。
このような原材料と製造過程の違いが、バターとマーガリンの融解温度の差につながっています。
◇バターが溶けるまでの時間
◯バターはどれくらいの時間で溶ける？
バターを溶かす速度はその置かれる環境によって変わります。
溶かす方法としては、室温での自然解凍、手で揉む、湯煎、ヘアドライヤーの熱風、オーブンの発酵機能利用、電子レンジを使う方法などがあります。
中でも電子レンジを使うと最も早く溶けますが、溶け過ぎに注意が必要です。
一方、手で揉んだり室温に置いておく方法は時間がかかりますが、風味や仕上がりが良くなります。
室内に放置されたバターは、夏場は30分から1時間程度で溶け始め、冬場は数時間かかることがあります。
急いで溶かす必要がある場合は、バターを5mmから1cm程度に切り分けて、日当たりの良い場所に置くと良いでしょう。
この方法では、夏は20分から30分、冬は約2時間で溶けます。
◯マーガリンの融解にかかる時間は？
マーガリンは30℃で溶け始め、45℃で完全に液状になります。
一度溶けたマーガリンは、水分と油分が分離して元の状態には戻りません。
ファットスプレッドもマーガリンと似ていますが、同様に30℃以上で溶け始める性質があります。
ファットスプレッドはマーガリンと比べて油脂含有率が80％未満で、カロリーが低く柔らかい点が特徴です。
また、マーガリンにはない様々な風味の添加物が使用されることもあります。
◇バターの正しい保存方法
◯冷蔵庫での保管場所
バターの保存には、10℃以下での冷蔵が最適です。
水分や空気との接触を避けることが大切です。
酸化や他の食品の臭いが移るのを防ぐため、いくつかの対策が推奨されます。
バターが酸化すると味や香りが落ち、含まれる飽和脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすことがあります。バターを小分けにして、それぞれをラップやアルミホイルで包み、ジッパー付きの袋や密封容器で保存すると、酸化を効果的に防ぐことができます。
バターは他の食品の臭いを吸収しやすいため、臭いが移ると風味が損なわれます。このため、ジッパー付きの袋や密封容器で保存することが望ましいです。
◯バターの保存期間は？
バターは、開封前であれば冷蔵で約6ヶ月、開封後は約2週間を目安に消費するのが良いでしょう。
冷凍する場合、未開封のバターは約1年間持つことが可能です。
◇まとめ
この記事で、バターとマーガリンの溶解温度の違いについて詳しく比較しました。
要約は以下の通りです。
・マーガリンは30℃から溶け始め、45℃で液体になります。
・いずれの場合も、一度溶けてしまうと、元の固形状態には戻らないため、再凍結は避けた方が良いです。
・バターの保管は10℃以下が理想で、ラップやアルミホイルで小分けに包んで密封することが推奨されます。
溶解温度の違いは原料の違いによるものです。
溶けた後の風味や味の変化には注意が必要です。
