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札幌市営地下鉄はなぜタイヤを採用?地上も走行する!?

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札幌市内を走る地下鉄はゴムタイヤを使用している、というのはご存知の方も多いと思います。

ではなぜゴムタイヤを採用したのでしょうか。

1つ目は騒音を軽減する
2つ目は加速・減速がしやい
3つ目は登坂性に優れている

などの理由があります。

この記事では札幌市営地下鉄がゴムタイヤを採用した理由や一部地上に出る区間が作られた理由などについてご紹介しています。

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◇札幌市営地下鉄がタイヤを採用した理由

1972年2月に開催された札幌オリンピックに合わせて、札幌市営地下鉄南北線が開通しました。

札幌市営地下鉄は全国的にも世界的にも珍しいゴムタイヤを採用しています。

地下鉄が走る世界115都市のうちゴムタイヤを採用しているのは12都市で、札幌はパリ(フランス)、モントリオール(カナダ)、メキシコシティ(メキシコ)に次ぐ世界で5番目に開通しました。

中央案内軌条方式で走行輪と案内輪にゴムタイヤを採用し、レールがないのが世界唯一なので札幌方式と呼ばれています。

ハンドルもなく中心を走っている案内軌条を案内輪のタイヤで挟み進行方向を決めています。

札幌の地下鉄でゴムタイヤ採用された理由ですが

・静かで乗り心地が良い(騒音を抑えることができる)
・加速・減速がしやすいので駅間距離の短い路線に最適
・登坂性に優れている

最初に開通した南北線は地下から地上の高架へと走行するため、ゴムタイヤの方がこの坂を登りやすい、などが挙げられます。

車体の下には2つの台車が設置されていて、走行輪4本と案内輪4本がついています。

東西線と東豊線にはラジアルタイヤが採用されていまして、幅が14.50インチ、扁平率が75%となっています。

万が一火災が起きた時でも燃えにくいことと、内圧が変わりにくいことから中には窒素が入れられています。

一方、案内輪の方には空気が入っていまして、こちらはスリックタイヤを採用しています。

ゴムタイヤということでパンクが心配されますが、パンク検知装置が走行路の一部についていてタイヤのパンクや内圧低下を感知すると、信号を指令所に出力されるようになっています。

東西線と東豊線の車両は金属製の補助輪を備えていますので、もしパンクをしてしまっても安全に走行できるようになっています。

南北線の場合はスリックタイヤが採用されています。
片方がパンクすることがあっても走行が可能なように、トラックの後輪と同様にダブルタイヤとなっています。

走行路面ですが、南北線ではコンクリートに樹脂を貼ったもので、東西線ではコンクリートに鉄板を張ったもので、東豊線ではコンクリート製枕木に鉄板となっています。


<東西線の走行路>


<東西線の走行路>

南北線の場合は直接コンクリートの上を走るのに近いですので、東西線や東豊線と比べると走行中のゴトゴトとした振動が多く、乗り心地に関しては南北線の方が少し劣ります。

ゴムタイヤの地下鉄のデメリットとして挙げられているのが、通常の線路の地下鉄に比べてシステムの維持管理コストがかかるとと、JRとの相互乗り入れができないことです。

◇札幌では地下鉄なのに地上も走行!?

札幌市営地下鉄南北線は一部が地上に出て走行しています。

地上に出ている場所は平岸駅を越えた地点から、終点の真駒内駅までが地上高架でその全てがシェルターに覆われています。地上には出ますが厳密にはシェルターの中となります。

このようにシェルターが複数の駅間にまたがるのは、札幌市営地下鉄以外には例がありません。

地上走行区間は全てかまぼこ型のシェルターで覆われているので、冬になり雪が多くなっても安全に走行することが可能です。

このシェルターの正式名称は「南北線シェルター」です。

総延長は4,308メートル、幅は一番狭いところで8.41メートル、一番広いところで16.64メートルあります。

ではなぜ途中から地上を走るようになったのか?ですが

・札幌オリンピックまでに用地買収が間に合わなかった
・条件が整わなかった部分は地上を走らせる方が、コストが安いのが分かったから

などの理由が挙げられています。

最初の計画は外を走り冬は除雪する計画でしたが、雪が降るたびに除雪をしていると恐らく問題が発生するだろうということで、全てを覆うことになったそうです。


<地上に出る部分のシェルター>


<地上に出る部分のシェルター>

この南北線シェルターには採光のための窓がついていますが、北海道とは言え夏になると窓を開けないと暑いので、職員の方が駅舎の窓のみ開閉しているとのことです。

自分と同じ目線でシェルターとその中を見ることができる場所として、真駒内駅の東側にある通称桜山の散策路があります。

詳しい場所などについてはこちらのブログをご覧下さい。

Sapporo Nature Times

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