気温が上がり始めると、私たちの家の周りでよく見かけるツバメの姿が増えてきます。
日本では、これを夏が近づいている兆しと捉える風潮があります。
ツバメの小さく愛らしい姿は多くの人々を魅了し、特にその雛はさらに可愛らしいものです。
しかし、ツバメが残す痕跡に悩むことも少なくありません。
家の入り口やバルコニーがツバメの糞で汚れることがあるのです。
見た目は可愛いものの、巣作りのために家の一部が利用されると困ります。
糞や泥による掃除は何度も繰り返さなければならないことも。
家の入り口、軒下、バルコニー、倉庫などがツバメの巣作りに利用されることが多いです。
そこで、ツバメに困っている方に向け、効果的な対策をご紹介します。
本記事では、特に「ツバメが嫌がる音」を使用した追い払い方法にスポットを当てて解説します。
■ツバメへの効果的な対応策:音、ネット、反射材、天敵模型の活用
・防護壁としてネットを設ける
・CDなどの光反射材を使う
・天敵を模した偽物を設置する
これらはツバメ対策に役立つ方法です。最も効果的な手段を見つけるために、個人的な経験に基づいて探求していきます。
●特定の音の使用
コストは多少かかりますが、ツバメが嫌う特定の音を使用する手法が効果的です。
設置も簡単です。市販されている製品の中から、予算や自宅の環境に合わせて選ぶと良いでしょう。
太陽光パネル付きで電池交換が不要な製品もあり、便利です。
また、人間の耳には聞こえない超音波を発するタイプもありますので、周囲に迷惑をかけることなく使用できます。
●ネットの設置
ネットを使えば、ツバメがその場所に巣を作るのを防ぐことができます。
細かい網目のネットを選び、しっかりと設置することがポイントです。
しかし、設置には手間がかかります。特に高い場所への設置は、脚立が必要になることが多く、天井への固定も簡単ではありません。
テープで固定してもすぐに取れてしまうことがあります。効果は高いですが、手間を考えると必ずしもオススメできるわけではありません。
●反射材を利用したツバメ対策
ツバメは光を反射するものを苦手とするため、これを活用した対策が効果的です。
使わなくなったCDを紐で吊るすことで、低コストで簡単に対策ができます。
完璧な解決策ではありませんが、何もしないよりは効果が期待できるでしょう。
ただし、マンションやアパートなどで実施する際、他の部屋と比べて目立つ可能性がある点には注意が必要です。
●天敵を模したオブジェクトの使用効果
ツバメを避けさせるために、ヘビやカラスなどの天敵を模したオブジェクトを設置する方法もあります。
しかし、ツバメは実際の生物と模型を見分ける能力があるため、この方法はあまり効果が期待できません。
■ツバメの特性と生態
ツバメは、北海道から九州にかけて見られる、夏の到来を告げる鳥です。
彼らは家屋や倉庫、商店、駅などに泥で作ったお椀形の巣を作ります。
体色は黒く光沢があり、腹部は白、額と喉には赤い色が見られます。
尾は長く分かれており、オスはメスより長い尾を持っています。
春から夏にかけて繁殖し、1シーズンに2回の子育てを行うこともあります。
食事は飛行中にトンボやアブ、ユスリカなどの昆虫を捕食します。
子育てが終わると、川沿いのヨシ原などで大群を形成し、8月から10月にかけて東南アジアに渡っていきます。
●ツバメの種類の多様性:世界に80種類以上!
日本では、5種類のツバメがよく見られます。
これには普通のツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、リュウキュウツバメが含まれています。
・イワツバメ
普通のツバメよりも少し小さめで、尾の切れ込みが浅いです。
体の上面は黒く光沢があり、腰部分は白色です。
北海道から九州の山岳地帯や都市部に現れ、ホテルやビル、橋の下で集団で巣を作ります。
巣は球状で、通常のツバメの巣とは異なり、上部が土で覆われています。高い空中を飛び回り、虫を捕食します。
・コシアカツバメ
普通のツバメよりも大きめで、腰と目の後ろが赤褐色です。
北海道から九州の都市部に現れ、特に関東以西で多く見られます。
高所の建物や橋の下で巣を作ります。巣はイワツバメのものに似ていますが、入り口が長く特徴的な形状をしています。
・ショウドウツバメ
普通のツバメよりも小さく、尾の切れ込みが浅いです。
上面は黒褐色で、喉と腹は白色です。
北海道の海岸や河川、農耕地に夏鳥としてやって来て、土手に穴を掘り集団で繁殖します。
この特徴から「ショウドウツバメ」と呼ばれています。
・リュウキュウツバメ
普通のツバメに似ていますが、尾の切れ込みが浅く、胸から腹にかけて灰褐色です。
奄美大島以南で見られ、沖縄県では一年中見られる常駐鳥です。
家や橋などに、普通のツバメと同じおわん型の巣を作ります。
●ツバメが日本に来る理由
これらのツバメが日本に来る主な理由は、春から夏にかけて繁殖するため、豊富な餌を求めて北半球に渡ることです。
日本は樹木が豊かで、ツバメが食べる虫が多く生息しているため、主要な渡来地の一つです。
■ツバメの巣が引き起こす問題とその影響
・泥、枯れ草、枝のばらまき
・カラスやヘビなどの天敵の出現
これらはツバメの巣に起因する問題点です。
ツバメの巣の周辺は糞や泥で汚れやすく、何度掃除しても終わりが見えないことが多いです。
また、ツバメの卵や雛を狙う天敵が現れるリスクもあります。
例えばカラスは、巣だけでなく近くのゴミも散らかすことがあり、一旦住み着くと対処が難しくなります。
ヘビが出ると、人への危険性も増します。
特に子どもがいる家庭では、より心配事が増えるかもしれません。
これらはツバメの巣が原因で発生する二次的な問題です。
■ツバメの巣撤去に際しての注意点
ツバメの巣を撤去する場合は、注意が必要です。
巣に卵や雛がいる状態での撤去は、「鳥獣保護法第8条」に違反し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
巣の撤去は早期発見し、巣作りが始まったばかりの段階で行うことが望ましいです。
一度撤去しても、ツバメは近くで再び巣を作ることが多いので、根本的な対策が必要です。
そこで「ツバメが嫌がる音」などの対策グッズを利用し、ツバメが自宅に近寄らないようにする方法が効果的です。