世界文化遺産に登録されている広島県廿日市市の厳島(宮島)にある厳島神社。
厳島神社と聞いて朱色の大鳥居を思い浮かべる人は多いと思います。
大鳥居は境内の沖約200メートルのところに建っているんですが、木造なのにずっと海の中にあって腐ったりしないのかな…と思ったことありませんか?
今回は大鳥居は腐食していないのか?倒れたりしないのか?
などについてご紹介します。
厳島神社の鳥居は腐食していないの?
現在の鳥居は明治8年(1875年)に建てられたもので8代目になります。
鳥居は主柱2本と袖柱4本の合計6本で構成されていて、主柱には樹齢500~600年のクスノキが使われています。
柱の最大直径は約3.6メートルあり、かなりの巨木であるため、探し出すのに20年くらいもかかったと言われています。
干潮になると鳥居のすぐ近くまで行けるのですが、よく見ると柱の下部分には横に線が入っています。
これは、海水に浸かる部分はどうしても傷みやすく腐食してしまうため、昭和25年(1950年)に根の部分を取り替えた(根継ぎ)時の境目です。
根継ぎのためのクスノキを探すものかなり大変で、何とか九州で見つけ出したものを使用しました。
根継ぎをする時は、根の部分を切り取って柱を浮かせた状態で、1本ずつ取り替えるという作業を繰り返し行いました。
厳島神社の鳥居はどうして倒れないの?
海の中にある鳥居は海底に埋め込んでいるのではなく、鳥居をただ置いてあるだけなんです。
それなのに140年間に渡り一度も倒れていません。
それぞれの柱の下には30~50本の松の木が打ち込まれており、その上に鳥居を載せています。地盤を強化しているとは言え、ただ置いてあるのには変わりありません。
ではなぜ140年もの間、高波や強風にも耐えてこられたのでしょう?
鳥居は総重量が60トンあるのですが、これは柱の重さだけではなく、実は秘密があったんです。
鳥居上部の扁額(へんがく)の上にあるものは、1本の柱ではなく板を組み合わせ箱状に造ってあります。その中には約7トン分の石が重しとしてびっしり詰め込まれています。
この上からの重しと柱の自重、鳥居の構造などにより自立しています。
まとめ
鳥居の柱は根継ぎという方法で、傷んだ部分を取り替えていたのですね。
松の木を打ち込む方法は建築の杭打ちと同じ考え方ですね。
JR東京駅の下にもたくさんの松の木が打ち込まれていますし。