夏の暑い季節、お祭りで見かける人気のアトラクション「金魚すくい」。
小さな子供から大人まで、誰もが楽しめる夏の定番です。
見ていると「簡単そう！」と思ってしまいますが、実際には思いのほか難しいものです。
きっと多くの人が「もっと丈夫な紙なら、もっとすくえるのに」と思ったことがあるでしょう。
そして、このユニークな道具の名前、気になったことはありませんか？
本記事では、その名前がどのようにしてつけられたのか、金魚すくいの歴史、そして上手にすくうためのコツについてもお話しします。
■「ポイ」という名前の軽快な謎！金魚すくいの道具の秘密
金魚すくいで使う紙製の道具は一般的に「ポイ」と呼ばれています。
この「ポイ」という言葉は、何かを軽く投げ捨てる行動を示す用語で、例えば「タバコの吸い殻をポイ捨てする」などと使われることがあります。
実は、金魚すくいの「ポイ」も、その名前は同様の由来を持っていると言われています。
金魚をすくった後に破れた「ポイ」をさっと捨てることから名づけられたという説があります。
一方で、金魚を素早くすくう動作に由来するという説もあります。
全国金魚すくい大会事務局では、「すぐに捨てる」という意味での由来を支持しています。
金魚すくい用の「ポイ」は通常、プラスチックの枠に紙を貼った形状ですが、過去にはもなかの皮で作られたものも存在しました。
しかし、紙に比べて水に溶けやすいため、次第に紙製の「ポイ」が主流になっていきました。
紙製の「ポイ」には強度に応じて4つの種類があります。
最も丈夫な4号から、最も薄く破れやすい7号まで存在し、一般的には6号がよく使われます。
店によっては7号を使用していることもあるので、使う前に「何号のポイか」を尋ねると良いでしょう。
初心者には5号がおすすめです。
次に金魚すくいに挑戦する際は、ぜひこれらの情報も参考にしてみてください！
■金魚すくいのルーツと時代の流れ
金魚の歴史を振り返ると、まず気になるのは金魚がいつ、どの地域で生まれ、どのように日本に伝わったかという点です。
金魚の起源は約1700年前の中国長江で、フナの突然変異から始まりました。
美しい赤色のフナが選ばれ、交配されてさまざまな種類の金魚が生まれたのです。
日本では、日本観賞魚振興事業協同組合が認定する金魚の品種が33種類にも及びます。
金魚が日本に伝わったのは1502年、室町時代の中期でした。
当初は貴族によって飼育され、庶民にはあまり知られていなかったようです。
江戸時代が始まると、金魚の養殖技術が発展し、庶民にも広まりましたが、最初は観賞用としての利用が主流でした。
江戸時代の後期になると、今日知られる「金魚すくい」が始まったとされています。
ただし、この時代の金魚すくいは網や手でつかむ方法であり、金魚を持ち帰ることはできませんでした。
明治時代の後期になると、すくった金魚を持ち帰ることができるようになり、「ポイ」という道具が登場しました。
これは、従来の方法ではあまりにも簡単に金魚をすくえすぎるため、商売として成り立たなくなった結果の工夫でした。
初期の「ポイ」は針金の枠に和紙を貼って作られ、和紙が破れたら取り替える再利用可能な形でした。
プラスチック製の「ポイ」が広まり始めたのは昭和30年代のことです。
こうして、金魚すくいは徐々に現代のスタイルに変化してきました。
時代を通じて、金魚すくいは多くの人々の興味を引き続ける伝統的な遊びとして存在しています。
■まとめ
金魚すくいに関する知識が増えたことで、この遊びの楽しみ方がさらに深まったのではないでしょうか？
金魚をすくうだけでなく、その背後にある歴史や、使用される道具の種類、上手にすくうためのテクニックを学ぶことで、金魚すくいがより面白くなることでしょう。
新しく得た知識を友人や家族と共有することも、この遊びの一つの楽しみ方です。
次の夏が来るのが待ち遠しいですね！
