ストーブやヒーターの灯油が尽きて補充する時、細部まで灯油がこぼれてしまったり、手に付いたりすると、その臭いがなかなか取れませんよね。
現在、自動ポンプなどの灯油補充機器が整備されているため、以前と比較すると手に灯油が付くことは少なくなっています。
しかし、つまみを締める際に手に灯油が接触することや、ホースからの灯油漏れは依然として頻繁に起こります。
もし部屋に灯油がこぼれてしまったら、その香りは部屋中に広がり、窓を大きく開けても数日間はその強烈な臭いが残ってしまいます。
この記事では、そのような状況を改善するための手段、具体的には、玄関や部屋の灯油臭を取り除く方法、大量の灯油漏れにどう対処すべきか、そして灯油の臭いがどの程度の時間持続するのかについて説明します。
◇灯油の臭いを無くす、効果的な対策
屋外保管は心配な一方で、室内保管は灯油独特の臭いが気になることでしょう。
また、灯油がこぼれるとなると、その臭いは耐え難くなります。
容器のキャップをしっかり閉じるという、日常的な工夫が求められます。
しかし、それだけではなお部屋が臭ってしまうことも。
消臭スプレーを使って一時的に臭いを抑えることはできますが、結局は「上書き」され、短期間で戻ってしまうことも。
そこで役立つのが、重曹、茶殻、コーヒーグラウンドという自然な消臭対策です。
◯重曹
灯油をこぼした際に重曹をまぶせば、灯油を吸収し、臭いを消す効果があります。
灯油の臭いが付いた重曹は掃除機で吸い取るだけで良いです。
これは玄関のカビの臭いも同時に除去する対策ともなるでしょう。
◯茶殻・コーヒーグラウンド
茶に含まれるカテキンは消臭効果があり、コーヒーグラウンドにはにおい吸収性がありますので、これらも灯油の臭いを無くす助けになります。
普段飲むお茶やコーヒーの残りカスを捨てずに、乾燥させておくだけで足ります。
コーヒーグラウンドはタバコなどの消臭効果もあり、それを間然に室内や玄関に配置しておけば、微かなコーヒーの香りが広がり、消臭対策としても役立ちます。
◇床への油染みへの対処法
ファンヒーターやその他のタンクから漏れた灯油は、臭いを最小限に抑えるためにも、新聞紙やキッチンペーパーでしっかりと拭き取りましょう。
特に軽い量の油染みには、範囲が限定されているので、消毒用エタノールを直接灯油がついた部分にかけると良いでしょう。
なぜなら、アルコールは灯油を溶かす特性を持っているからです。
その後、新聞紙や使い終わった布でアルコールと一緒に灯油を吸収して拭き取ります。
◯大量の油漏れの対応法
大量の灯油が床に漏れた場合、冷静に対応することが重要です。
困惑しているときに無理に油を拭き取ろうとすると、フローリングのワックスが剥がれてしまうことがあるので気をつけましょう。
まずは、強い臭いを和らげるために窓やドアを開けて換気をすることが大切です。
その後、新聞紙や使い終わった布を置いて軽く叩き、灯油を吸収させます。
そして驚くべきことに、灯油をさらに吸収させるために小麦粉を使います。
新聞紙や布が吸収しきれなかった灯油を吸収するためには、小麦粉の細かい粒子が非常に効果的です。
漏れた箇所に小麦粉を振って10分ほど放置した後、ホウキで寄せ集め、ゴミ袋に捨ててから掃除機で小麦粉の残りを掃除します。
小麦粉を使うことで、床上の油染みを無くすだけでなく、臭いも抑えられます。
これらの方法は、少量の油漏れに対しても有効です。
◇臭みを取り除くための床清掃法のアドバイス
以前には小麦粉を用いた臭み対策をご紹介しましたが、それでもまだ臭いが気になると感じた場合は、中性洗剤を試してみてください。
お皿洗い用の洗剤などが最適です。洗剤は40〜50℃のぬるま湯で薄め、スポンジに浸し、その後床をこすって洗いましょう。
もし床材が無垢材ならば、スポンジではなく、洗剤を含ませた布をしっかりと絞って拭きましょう。
臭みが完全に消えるまでには2〜3日かかるかもしれませんが、その後は臭いが次第に軽減されます。
また、柑橘類の皮をこすりつけたり、レモンジュースを振り掛けると臭みはしっかり除去できます。
◯臭いの続く期間は?自然に薄れるもの?
灯油を床にこぼすと、臭みはすぐには消えません。
灯油は揮発しやすい性質を持っているため、少量ならばおおむね1〜2ヶ月で自然と臭みが消えます。
しかし、カーペットなどへ広がってしまった場合、臭いをなくすのにも時間がかかります。
臭いを早く取り去りたい場合は、適切な対策を試すことをお勧めします。
◇コンクリートの床への対応策
庭やガレージのコンクリート部分に灯油をこぼすこともあります。
コンクリートはアルカリ性の素材でできています。
また、灯油は揮発性が高いため、こぼれた場合でも時間が経つと蒸発し、臭いは徐々に弱まります。
しかし、小さなコンクリートの粒子が灯油を吸収してしまい、汚れができてしまうことがあります。
そんなときは、灯油をこぼした部分を新聞紙や使い古した布で拭き、その上から重曹を振り掛け、5分ほど置きます。
その後、重曹を掃除機で吸い取り、スポンジで中性洗剤をこすりつけ、湿らせた布で拭き取ると、臭いと汚れがきちんと取れます。
◇自然発火の可能性がある?放置すると危険
灯油、通称フラッシュポイントは、点火温度が40℃以上、沸点が170~250℃と言われています。
気温がこれらの範囲を超えると、フラッシュガスを生成し、時々、事故につながることがあります。
しかし、適温を保つことで、自己発火のリスクは低減されます。
火花から遠ざけ、風通しの良い暗い場所で保存し、直射日光を避けることが求められます。
特に冬場に購入した灯油の消費が追いつかないことがありますので、灯油は半年以上経つと化学変化が起こり、半年以内に使用を完了することが推奨されています。
灯油を使用し切れなかった場合、受け入れてくれるガソリンスタンドで処分することも可能ですが、受け取りを断る場合もあるため、事前に確認をすると良いでしょう。
◇まとめ
灯油は寒い冬の必需品ですが、こぼれることもあり、その臭いはエアーリフレッシャーだけでは十分に消せません。
したがって、床にこぼした際には、すぐに対応することが重要です。
臭いを和らげるためには、重曹やコーヒーの殻、茶殻などが効果的です。
こぼれた灯油の対策としては、消毒用エタノールで分解したり、小麦粉で吸収させたりするのが理想的です。
その後、食器用洗剤で拭き取れば、さらに改善されます。
灯油の使用時は、きちんと換気を行い、もしもこぼしたらすぐに掃除をすることを心掛けましょう。
この情報を参考にして、灯油の取り扱いにご注意ください。