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お盆の迎え火と送り火:意味と正しいタイミング

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お盆の時期には、故人や先祖を敬うためのさまざまな行事がありますが、その中でも迎え火と送り火は特別な意味を持っています。

家の入り口で行われるこれらの儀式を見かけたことがある人も多いでしょうが、実際にはどのような意味があり、いつ行うべきなのでしょうか?

お盆は、故人や祖先への尊敬を示す重要な時期です。

この期間、墓参りや法要などを行うことは一般的です。

しかし、迎え火や送り火の背後にある意味や、これらを行う正確なタイミングについては、意外と知られていないことも多いです。

お盆の4日間全てで迎え火や送り火を行うことができるのか、という疑問もあるかもしれません。

ここでは、お盆における迎え火と送り火の重要な役割と、それらを行うべき適切なタイミングについて解説します。

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◇お盆と迎え火・送り火の伝統と起源

お盆、または盂蘭盆会とは、仏教の教えがインドから日本へ伝わり、そこで既に存在していた祖先崇拝の信仰と融合して生まれた日本独自の文化です。

この期間には、亡くなった人々や先祖の魂があの世からこの世へと帰ってくると考えられています。

家の入口や門に灯される迎え火は、彼らが迷わずに帰ってこれるよう案内するための灯火とされ、先祖の魂を迎える役割を果たします。

お盆の終わりには、これらの魂を再び冥界へと送り返す目的で送り火が焚かれます。

送り火は、迎え火と同じ場所で行われることが多く、先祖の魂が安全にあの世へ戻るための道しるべとなります。

◇迎え火と送り火を行う適切な時期

一般に、送り火はお盆の初日を知らせる8月13日の夕方に行われますが、実際には地域によってお盆の期間や習慣が異なります。

例えば、7月にお盆を祝う地域では、「旧盆」と呼ばれ、これは旧暦に従っているためです。

旧暦と新暦では約30日の差があり、その結果、旧暦で7月15日に行われていたお盆が新暦では8月15日になります。

多くの日本の地域では新暦に基づく新盆が祝われ、迎え火は8月13日、送り火は8月16日に行われるのが通例です。

しかしながら、旧盆を祝う地域では、これらの日付はそれぞれ7月13日と7月16日になります。

また、地域によっては迎え火を8月12日、送り火を8月15日に行うこともあります。

新しくその地域に移り住んだり、まだ地域の風習に慣れていない場合は、事前に地元の習慣について調査しておくことがおすすめです。

◇迎え火と送り火の準備とやり方

迎え火と送り火を行う際には、いくつかの必需品があります。以下に、その準備物と手順を紹介します。

◯麻の茎

お盆に用いる麻の茎、特にその皮をむいた部分である苧殻には、空間を清める効果があるとされます。

この植物を使って、先祖の魂を迎える場を清浄にします。

お盆前には一般的に販売されており、見つからなければ松の枝や藁で代用することができます。

◯焙烙(焼き皿)

迎え火や送り火には、麻の茎を置くための素焼きの皿、焙烙が必要です。

仏具店などで購入できますが、なければ耐熱性のある平皿や大きめの灰皿を使っても大丈夫です。

◯精霊の乗り物

お盆では、この世に戻ってくる先祖の魂が乗る精霊馬と、帰る際に乗る精霊牛が用いられます。

馬は速さを、牛はゆっくりとした歩みを象徴し、お盆の間、家の精霊棚や玄関に飾られ、送り火で燃やされます。

◯迎え火と送り火の実施手順

1. まず、精霊棚を設け、先祖の魂を迎える場を準備します。
2. お盆の13日には、お墓参りをして、そこから持ち帰った火で焙烙に乗せた麻の茎に点火し、迎え火を行います。
3. お盆が終わる16日には、再び焙烙で麻の茎を燃やし、送り火をします。この時、精霊馬も一緒に焼きましょう。

◇各地で異なる迎え火と送り火の風習

各地域には、迎え火や送り火を行った後の灰を跨ぐという独自の習慣が存在します。

例えば、東京の一部地域では、灰を跨ぐことにより無病息災や家庭の厄を払う効果があるとされており、特におがらの灰は魔除けに効果的だと信じられています。

通常は、家の入口から外に向かって3回跨ぐのが良いとされています。

また、墓地へ向かう道を明るく照らすために松明を使用する伝統がある地域もあります。

更に、迎え火や送り火の際に特定の宗教の経文を唱えるという習わしが根付いている場所もありますが、地域によって風習は大きく異なります。

◇地域ごとのお盆の風習の違い

お盆に行われる伝統や行事は地域によって異なりますが、特に有名なのが京都で行われる「大文字焼き」や長崎の「精霊流し」です。

京都では、如意ケ嶽で8月16日の夜に行われる大文字焼きは、山の斜面に「大」の文字を浮かび上がらせることで知られ、多くの人に夏の風物詩として親しまれています。

長崎では、初盆を迎える故人を偲んで、精霊船に遺影や位牌を乗せて川や海に流します。

このとき、爆竹を鳴らしたり大声で声援を送るなど、華やかな雰囲気で行われる精霊流しは、夏の九州を訪れた観光客にとっても見逃せないイベントです。

◇マンションでもできるお盆の新しい迎え火と送り火

マンションやアパートのような集合住宅では、お盆の迎え火や送り火をそのままの形で行うのは難しいですよね。

安全規制や火を使うことへの制限があるため、伝統的な方法で火を焚くわけにはいきません。

しかし、最近では室内やバルコニーで安全に行える迎え火・送り火キットが登場していますが、それでも外で火を使うことが難しい場所も多いです。

そんな時におすすめなのが、盆提灯を使った方法です。

火を使わずとも、盆提灯のやわらかな光りで先祖の魂を迎えたり送ったりすることが可能になります。

◯盆提灯で迎え火を行う方法

盆提灯を玄関前で灯し、その光で先祖の魂を迎える儀式を行います。

盆提灯を手に持ちながら、敬意を表して黙祷を捧げ、その後で灯りを消します。

これは、火を使うことができない環境でも、先祖との絆を感じられる素敵な方法です。

◯盆提灯で送り火を行う方法

送り火も盆提灯を使って同じように行います。

先祖の魂を送るために、盆提灯を灯し玄関前で立ち、敬意を表しながら黙祷を捧げた後に灯りを消します。

この行為で、穏やかに先祖の魂との別れを表現できます。

◇まとめ

8月13日の夕方と8月16日の夕方に行われる迎え火と送り火は、お盆において大切な伝統です。

しかし、現代の住環境では、特に集合住宅では、直接火を使うことが困難な場合もあります。

そのような状況でも、盆提灯を使った方法なら、どんな住環境でも先祖を迎え送りする心を大切にすることができます。

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