長年にわたり、卒業式では好意を寄せる男子生徒から彼の制服の第二ボタンをもらうという習慣がありました。
しかし、令和の現代では、このような慣わしは古いものと感じられることもあるでしょう。
実際、この慣習を知らない学生の数も増えてきているようです。
では、卒業式での新しい記念品として、第二ボタンに変わる新たなトレンドは何があるのでしょうか?
この記事では、以前からある第二ボタンをもらう習慣の始まりとその背後にある意味や歴史を紐解いていきます。
◇卒業式と第二ボタンの深い絆
卒業式に第二ボタンを贈る行為には、一体どんな意義があるのでしょうか?
日本では、卒業時に生徒同士で第二ボタンを交換するという慣習がよくあります。
この第二ボタンは、心臓に近い制服の上部に位置しているため、非常に特別な意味を持ちます。
第二ボタンを贈ることは、強い愛情や絆を象徴し、「心からあなたを愛している」という深いメッセージを伝える行為です。
このボタンは、贈る側にとって非常に重要な人物を象徴し、別れの時期である卒業において、愛と感謝の気持ちを具体的な形で残す意味合いがあります。
◯制服の他のボタンの意味
では、制服の他のボタンにも何か意味はあるのでしょうか?
一般的に、学生服のボタンはそれぞれ異なる意味を持っていると言われています。
例えば、第一ボタンは「自分自身」、第三ボタンは「友情」、第四ボタンは「家族」、第五ボタンは「社会や他者」と関連付けられています。
このように、心臓に近い位置にある第二ボタンは、恋愛的な愛を象徴するため特に人気があります。
◯ブレザー制服の場合の変化
ブレザーを制服として採用している学校が増えたことで、第二ボタンの習慣にも変化が見られます。
ブレザーの場合、第二ボタンが心臓に近いわけではないため、意味合いが異なります。
その結果、ネクタイや校章、名札などを贈る新たな慣習が生まれています。
これらのアイテムもまた、卒業という節目において、特別な絆を象徴するために選ばれるようになっています。
◇卒業式における第二ボタンの由来と変遷
第二ボタンに関する伝統は、いくつかの始原から語り継がれています。
その一つとして、戦争時代に出征した若者たちが、身につけていた学生服の第二ボタンを大切な人への形見として残したという話があります。
また、昭和35年に公開された映画では、愛する人へ軍服の第二ボタンを託す特攻隊員の心打たれるシーンが描かれ、この伝統に深い愛と別れの意味を加えました。
第二ボタンが選ばれたのは、第一ボタンをはずすと服装が乱れるとされ、目立ちにくい第二ボタンならば問題ないという実際的な理由もあります。
◇現代の卒業式での第二ボタンの新たな代替物
最近の卒業式では、かつてほど第二ボタンが注目されることは少なくなっています。
制服のスタイルが多様化し、特にブレザーの採用が増えたことで、第二ボタンの習慣も変わりつつあります。
今では、ネクタイや名札、校章などが、愛や尊敬のシンボルとして好まれるようになっています。
これらのアイテムは、学生生活の間に身に着けていたものであり、卒業の記念に持ち帰りたいと考える生徒が増えているのです。
また、卒業式の日には、記念撮影をしたり、花束を贈ったり、制服を空高く投げるなどの行動が、忘れがたい思い出となります。
この特別な日には、普段許されないスマートフォンの使用が見逃されることもあり、一生の記憶に残る瞬間を捉えるのに役立ちます。
◇まとめ
第二ボタンを贈るという卒業式の慣習が時代遅れになりつつあることに驚かれる方も多いかもしれません。
しかし、子どもを持つ家庭などでは、このような変化が案外自然に受け入れられていることがあります。
令和の時代になり、SNSが盛んになるなど、卒業記念の作り方が変わってきたことは明らかです。
何より大切なのは、卒業生がこの大切な人生の節目をどう捉え、友達や仲間とどのように共有し、思い出を作っていくかということです。
卒業式のあり方はこれからも時代とともに変わっていくでしょうが、その中での心のやり取りは、これからも更に深まっていくはずです。