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夏の挨拶と贈答の違いとは?両方が必要な理由や弔事時の対応について

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夏が訪れると、デパートの掲示板に「暑中見舞い」と「お中元」の文字をよく見かけるようになります。

この記事では、暑中見舞いとお中元の違い、それらを送るべきかどうか、喪中の場合の対応方法などについて解説していきます。

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◇暑中見舞いとお中元の違い

暑中見舞いとお中元の最も大きな違いは、その形式にあります。

暑中見舞いは基本的に「手紙」の形をとり、お中元は「贈り物」として送られます。

また、送るタイミングについては、暑中見舞いは全国的にほぼ同じ時期に行われるのに対し、お中元は地域によって送る時期が異なります。

しかし、暑中見舞いとお中元は共通の起源を持ち、どちらもお盆の時期と関連があります。

以下で、これらの点についてさらに詳しくご説明します。

◯暑中見舞い

暑中見舞いは、親しい人々やなかなか会えない大切な人たちへの健康を願う季節の挨拶で、一般的には「手紙」として送られます。

この挨拶状を送る時期は、梅雨が明けてから立秋にかけて、大体7月上旬から8月7日頃までとされています。

立秋を過ぎると「残暑見舞い」に切り替わるため、そのタイミングに注意が必要です。

暑中見舞いの習慣は江戸時代にさかのぼり、その時代にはお盆の際に故郷へ帰省し、祖先の供養のために供物を持っていくことが普通でした。

また、恩人に対しても品物を送る慣習がありました。

訪問が難しい場合は、飛脚を利用して手紙や品物を届けてもらうことも行われていました。

明治時代になると、郵便制度の整備により、物品よりも手紙を送ることが主流になりました。

大正時代には現在のような暑中見舞いの形が定着しました。

近年では、「暑中見舞いギフト」という新しい形式の贈り物も商業界で登場しており、お中元と比べて気軽に扱える点が特徴です。

◯お中元

お中元は、年上半期にお世話になった方々へ感謝の気持ちを示し、下半期の健康と幸福を願うために送る「贈り物」です。

この贈り物を送る時期は、日本全国で地域によって異なります。

◇地域別のお中元送り時期

・北海道:7月中旬から8月15日まで
・東北、関東:7月初旬から7月15日まで
・北陸:7月初旬から7月15日、または8月15日まで(地域により異なる)
・東海、関西、中国、四国:7月中旬から8月15日まで
・九州:8月1日から8月15日まで
・沖縄:旧暦7月15日頃(沖縄では旧暦に基づく行事が多い)

お中元の起源は中国にあります。

中国では旧暦の7月15日を「中元」と呼び、この日には道教の教えに基づいて神へ供物を捧げ、罪を償うとされていました。

この慣習は後に中国仏教に取り入れられ、中元の日に祖先を供養する盂蘭盆会(うらぼんえ)として発展しました。

この文化が日本に伝わると、お盆の時期に祖先への供養として、またお世話になった人々への感謝の気持ちを表す贈り物としてお中元の習慣が根付きました。

◇暑中見舞いとお中元の送り方について

まず、暑中見舞いとお中元を送ることが必ずしもマナーとして求められるわけではありません。

また、これらを同時に送ることが不礼に当たるかという点についても、必ずしもそうではありません。

ここで、両方を同じ相手に同時期に送る場合の最適な送り方について考えてみましょう。

同時に届くと、受け取った側はどう対応すればよいか、というプレッシャーを感じることがあるかもしれません。

そのため、送る側としては、相手がお礼を書く際に困惑やプレッシャーを感じないように配慮することが重要です。

暑中見舞いとお中元を両方送りたい場合、それぞれが異なるタイミングで届くようにするか、お中元に簡単な手紙を添えるなど、相手に負担をかけない方法を選ぶと良いでしょう。

このように配慮深く送ることが、相手への思いやりを示すことにつながります。

また、自分が両方を受け取った場合でも、タイミングを考慮して返事をすれば問題ありません。

時期が重なったときは、お礼状とお返しを一緒にして対応するのが一つの方法です。

さらに、お中元と残暑見舞いを分けて送ることも考えられます。

こうした対応は、送るタイミングや相手との関係を考慮することが大切です。

◇喪中の際の暑中見舞いとお中元の扱い方

暑中見舞いやお中元は、祝事ではなく感謝の気持ちや健康を願う季節の挨拶として位置づけられているため、基本的には喪中であっても送受信に問題はありません。

ただし、相手が四十九日の最中や初盆を迎えている場合には、内容やタイミングを調整する配慮が求められます。

例えば、親しい人へはお中元としてではなく、お供え物を持参して直接挨拶に伺うことが適切かもしれません。

一方で、一般的には忌中が明けるか初盆が終わるまで待ち、その後に残暑見舞いの形で手紙やギフトを送るのが良いでしょう。

自分自身が喪中の場合は、受け取ったお中元や暑中見舞いに対して、先にお礼状を出しておき、後日、残暑見舞いとして改めてお礼を送ることが望ましいです。

この時、返事が遅れた旨を伝える謝罪の言葉を添えるのを忘れないでください。

◇まとめ

暑中見舞いとお中元は同じ時期に送ることが多く、似た文化と捉えられがちですが、その性質と形式には明確な違いがあります。

・暑中見舞いは主に「手紙」として送られます。
・お中元は物質的な「贈り物」として贈られます。

どちらも送ること自体に問題はありませんが、相手の現在の状況に合わせた適切なタイミングで送ることが肝心です。

特に相手が喪中の場合は、時期を適切に調整する配慮が必要とされます。

これらの習慣を通じて、大切な人とのつながりを深めることができればと思います。

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