北海道は雪国ですので、ご存知の通り冬になるとたくさんの雪が積もります。
雪が積もった道を北海道の方たちは、どのように滑らない歩き方をしているのでしょうか。
街の中心部ですと歩道にロードヒーティングが設置されていて、歩きやすくなっている場所もありますが、少し外れると雪が積もっていて滑りやすくなっている場所もあります。
雪国以外の出身の方ですと、雪道の歩き方が分からないことが多いです。
旅行や出張で来られた時に、できるだけ滑って転ばないように、普段、北海道民が実践している滑らない歩き方(というか、滑りにくい歩き方ですね)のポイントをいくつかご紹介します。
◇北海道民に聞いたツルツル路面で滑らない歩き方のコツ
目線は遠く前方ではなく2・3歩先の路面を見る
カッコよく歩くのであれば、目線は遠くにとなりますが、雪道を歩く時に遠くを見るのはかなり危険と言えます。
雪道の路面状況は刻々と変わりますし、日陰や日向でも変わりますし、時間帯によっても違いますし、とにかく自分が歩くすぐ先の路面状況を確認しないと、転んでしまう可能性が高まります。
雪道を歩く時は常に2・3歩先の路面を見ながら歩くようにして下さい。
歩幅をいつもより小さくする
普段通り雪のない道を歩くのと同じ歩幅で歩きますと、急に現れた凍った路面に対処できずに滑ってしまい転んでしまう可能性があります。雪国育ちの人間でも、それは同じです。
ですので、冬になり雪が積もるような時期になりますと、自然と歩幅は狭くなります。これは経験からくるものですね。
ずっと住んでいますと、雪のあるところと無いところでは、自然と歩き方が変わっていますね。
足を下ろす時は靴の裏全体でしっかりと踏む
舗装された歩道などを歩く時は、前に振り出した足の踵から地面に着地し、最後は親指の付け根辺りで地面を蹴り出しますが、雪道でそのようにしますと、滑って転んでしまう可能性があります。
前に振り出した足は踵ではなく足裏全体で地面を踏むようにしますし、最後に蹴り出すこともしません。
そうすることで滑って転んでしまう可能性を減らすことができます。
100%確実に防げるわけではありませんが、そのリスクは減らすことができます。
体重はゆっくり足裏全体に載せる
雪道ではないところと同じように、足が地面に着いた途端に体重をいきなり載せてしまうと、上記の内容と重なりますが、路面状況により滑って転んでしまう可能性があります。
足が横に滑って倒れるか、進行方向に滑ってしまい前後に開脚してしまうことになり、痛い上に転んでしまいます。
そうならないためには、真上からゆっくりと足裏全体に体重を載せるようにします。
「急」のつく動きはしないようにする
自動車に乗る時も、「急発進」「急停車」「急ハンドル」はしないように教習所で習うと思いますが、雪道を歩くときも同じく、「急に歩き始める」「急に立ち止まる」「急に曲がろうとする」というように、「急」のつく動きをしますと転んでしまう可能性が高まります。
ですので、雪道を歩く時はできるだけゆっくり動くようにして下さい。
ただ、雪道に慣れた北海道民の中には、ランニングシューズを履いて走っている人もいますが、これは小さい頃から雪国で育ち、日頃から特別な訓練をしていますので、決して真似しないようにして下さいね(笑)
・・・特別な訓練をしているというのは冗談ですが、街の中心部以外の歩道では、冬でもランニングしている人を見かけるのは本当です。
手袋を履いておく
とは言え、雪道に慣れていない人は、気をつけていても転んでしまうことがあります。
その時にどうしても手を着いてしまいますが、その時に手の平を守る意味で手袋を履いておくと安心です。
荷物はできるだけリュックに入れて背負うようにする
手に荷物を持って雪道を歩いていると、もし転んでしまった時に怪我をするか中身をダメにしてしまう可能性があります。
難しい場合もあるとは思いますが、できるだけリュックなど両手が空くようなものに荷物を入れると良いです。
道民の私も、普段からリュックを背負い、転びそうになった時はすぐに立ち止まり、両手を広げて何とか転ばないようにしています。
もし、後ろに転んでしまった場合には、荷物の中身がダメになってしまいますが、背負っているリュックがクッション代わりにもなってくれます。
それから、手が冷たいからとポケットに入れるのは危険ですので、雪道を歩く時は手袋を履くなどして外に出しておきましょう。
雪道用の靴を履くか着脱可能な滑り止めをつける
雪道用ではない靴を履いてきてしまった、例えば裏がフラットな革靴などの場合には、着脱可能な滑り止めを装着しておくと安心です。
冬になると大体の靴屋さんに置いてありますが、事前に購入しておくとすぐに装着できますね。
以前、荒縄を長靴に巻いて滑り止めにしているのを見たことがありますが、皆さんは市販のものが良いと思います。
札幌市広報部公式アカウントでは、このような動画も公開しています。
◇北海道民に聞いた雪道を歩く時に気をつける場所
車の出入りが多い場所
駐車場やコンビニ、スーパーなど、道路沿いにある施設へ入るために歩道を横切るような場所は、車によって雪が踏み固められて氷のようになっていることが多く、路面が大変滑りやすくなっています。
一度踏み固められた上に、新雪が降った後などは大変滑りやすくなりますので特に注意が必要です。
そのような場所を歩く時は、必ず滑るものなんだと思い、気をつけながら歩くようにすると良いです。
横断歩道とその付近
横断歩道は人もたくさん通るりますし車も通しますので雪が踏み固められています。
交差点は渋滞や信号待ちで車が止まっている時間が長めですので、車の熱で雪が解け、それがもう一度凍ることを繰り返すため路面が滑りやすくなります。
車道は除雪が行き届いているのと融雪剤が撒かれていて雪がほとんど無いことが多いですが、逆に歩道には雪が残っていて車道よりも高くなっていることが多く、そのため車道に向かって坂になっていることがあるので注意が必要です。
それから、都市部にある多くの交差点には「滑り止め材」が入っている箱が設置されていて、こちらは無料なので誰でも使うことが可能です。ペットボトルに滑り止め材が入っている場合もあります。
その中にある細かい砕石を氷になっている場所に撒くことで滑り止めとなり転びにくくなります。
以前、年配の女性が自分の歩く先に滑りそうな場所があると、この滑り止め材をカバンから取り出して撒いてから歩いているのを見たことがあります。
ロードヒーティングの切れ目
ロードヒーティングされている部分とそうでない部分には必ず段差ができています。
歩道も除雪はするのですが、アスファルト舗装ギリギリまではしませんので、どうしても路面が高くなってしまいます。
ロードヒーティングされている部分から雪道に変わる時は気をつけていますので、慎重に移動すると思いますが、逆を場合に転ぶ可能性があります。
段差がありますので、その境目が凍り滑りやすくなっていることが多いです。
滑ることが分かっていて、ワザと滑るなら良いのですが、何かに気を取られていていたりすると、段差のところで滑って転んでしまうこともあります。
ですので、ロードヒーティングの切れ目には注意が必要です。
バスやタクシーの乗降場所
バスやタクシーを待っている人がいるところでは、雪が踏み固められて氷のようになり滑りやすくなります。
日中は気温が高めで夜になって気温が下がった時は注意が必要です。
バスに乗ろうとして滑ってしまい、バスの下に潜り込んでしまったというニュースをたまに聞くことがあります。
バスやタクシーに乗る時もそうですが、降りる時はさらに注意が必要ですので、足元の状態をよく確かめながら降りるようにして下さい。
◇まとめ
北海道民に聞いたツルツル路面を歩く時のポイント
・歩幅をいつもより小さくする
・足を下ろす時は靴の裏全体でしっかりと踏む
・体重はゆっくり足裏全体に載せる
・「急」のつく動きはしないようにする
・手袋を履いておく
・荷物はできるだけリュックに入れて背負うようにする
・雪道用の靴を履くか着脱可能な滑り止めをつける
北海道民に聞いた雪道を歩く時に気をつける場所
・横断歩道とその付近
・ロードヒーティングの切れ目
・バスやタクシーの乗降場所
これらに注意しながら雪道を歩いてみて下さい。